高野山 波切不動尊・南院

徳川家霊台の回で少し触れた、波切不動尊・南院です。本尊は空海作と伝わる浪切不動明王(重文)。山外不出の秘仏で、6月28日のみのご開帳です。

高野山波切不動尊南院

波切不動尊の由来

その昔、弘法大師空海が留学先(唐)からの帰国途中に嵐に遭い、船が難破しそうになりました。

そこで、師から授かった霊木に自ら「一刀三礼」にて不動明王を刻んで無事を祈願。するとその不動明王が火焰を放ち、利剣で波を切り裂いて航路をつくり、空海一行を導いた…という伝説が「波切不動」の名の由来です。(イメージとしては「モーセの十戒」?)

他にも将門の乱・元寇の役など、霊験あらたかな伝説多数^^。

私は今まで知りませんでしたが、浪切不動明王は全国にたくさん祀られています。その元祖がこの「波切不動尊」です。

近畿三十六不動尊霊場の結願寺

こちらは近畿三十六不動尊霊場の36番札所、結願寺でもあります。

近畿三十六不動尊霊場は、昭和54年に発足した比較的新しい霊場です。近畿地方の2府4県にまたがり、庶民感覚から選ばれた霊場寺院には有名寺院が数多く含まれています。観光として巡っても楽しい霊場のひとつでしょう。

御朱印は2種類

御朱印はどちらも波切不動ですが、2種類あります。

高野山波切不動尊南院御朱印

…まぁ、ほぼ同じなんですけどね^^;。

右側が一般的な御朱印。左が霊場用の御朱印です。

それぞれ決まりはあるそうで、右上の印が違うのはもちろんですが、近畿三十六不動尊霊場では左肩の「弘法大師御守本尊」という印を押さないのが決まりとのこと。あと、日付は手書きとか^^。

ちなみに、この不動尊霊場の35番札所が私が泊まった宿坊、「明王院」です。

宿坊では一般的に玄関先で声をかけて室内で御朱印を書いてもらうことが多いものです。しかし、こちらは拝殿右側に納経所があるので気がラクでした。

鳴龍

波切不動尊の見どころをもうひとつ。拝殿の鳴龍です。

拝殿の天井には立派な白い龍が描かれています。

高野山波切不動尊鳴龍

もし訪れる機会がありましたら、龍の目の下で手を叩いてみてください(お寺ですが)。ビーン、ビーンと音が響きます。立派な鳴龍です。

普通は、静寂した屋内で仰々しく拍手を打って体験するものです。中には拝観料を取るところもあります。外でこんなお手軽に体験させてくれるところは滅多にありません^^。

ところで、鳴龍の原理ってご存知ですか?

鳴龍は2枚の硬い板が平行に並んでいる間を、音波が繰り返し跳ね返ることで起こります。「フラッター・エコー」と呼ばれます。

天井を凹レンズ状に湾曲させる事で、音波が床に当たるところを集中させ、音が逃げないようにしています。トンネルの中がイメージしやすいかも。

ですから本当は、やはり外よりも屋内に作るほうが理に適っているのです。

でも、高野山の龍の鳴き声(?)を一度は聞いてみていただきたいと思います。

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