平泉・達谷窟の先に「厳美渓」はあります。
厳美渓は一関市にある渓谷で、岩手県でも有数の景勝地。国の名勝・天然記念物にも指定されています。
古の人々がつくり、守ってきた神社仏閣もすばらしいのですが、自然がつくりだした景観にはパワーを感じます。
渓谷を流れる水の碧さが特徴的。
周りはきれいに整備されて、散策できるようになっています。
でも、一日歩いた身には栄養補給が必要。景色より名物^^。
厳美渓の名物は「だんご」
一関の郷土料理は「餅」です。味の種類が豊富で、市内には食べ比べができるお店も多くあります。
でも厳美渓で食べるなら、やはり「だんご」でしょう。
厳美渓名物だんごの特徴として、次の3つが挙げられます。
- うるち米(もち米ではない、飯米)でつくられる。
- ちぎって丸めるのではなく、棒状に伸ばしてから切る。
- 両面に餡がついている。
周辺には3店のだんご屋があります。今回はそのうちの2店をご紹介します。
郭公屋(かっこうだんご)
「空飛ぶだんご」として有名になった店です。
対岸にカゴがあり、お金を入れて木槌で板を叩くと、店のおじさんがワイヤーでカゴを引き上げて、だんごの折と紙コップのお茶を入れて戻してくれます。
(上の写真で、屋根のある建物の辺りがその場所です)
これが結構な勢いで、写真を撮ろうにもなかなか納まってくれないほど。「空飛ぶ~」はあながちウソではありません。
1串には小さめのだんごが5個。あん・みたらし・ごまの3本で1折です。紙コップのお茶がついて¥400。
お客さんたちがおもしろがって引っ切り無しに板を叩いています。おじさん、大忙し^^。
滝見だんご
今回私が入った店です。
空は飛びませんが、地元の方や車での来客が多く、こちらも賑やか。
中に入ると棒状のだんごを糸で切っているところが見られます。片方の糸端を咥えながら手際よく切っている姿は、やっぱり忙しそう。
「かっこうだんご」よりも大きなだんごが1串に4つついています。あん・いそべ・ごま・くるみ・ずんだの5色セットが¥650。1本ずつの購入も可能です。
お椀に入った「てぎりだんご」はいそべの代わりにしょうゆと納豆があって全6種。各¥320。
私は串だんごにしました。
5色セットはカラフルで豪華だったのですが、今回はくるみとずんだの2本だけ。
それでも普通のだんごよりかなり大きいので、串を持ち上げるとずっしり。餡もたっぷりで、2本で満腹になりました。
糸で切られた断面がきれいで、角も立っています。歯切れ良く、だんごとしてはちょっと変わった食感。
餡は水や酒でのばしていないので濃厚です。ただ下面の餡が全部皿に残ってしまい、だんごを食べた後の串でこそげ取って舐めるという、何ともはしたない姿をさらすことに^^;。それほど餡がおいしいです。
でも無添加のだんごは1日で固くなってしまうそう。おみやげは断念しました。
<追記>
だんごの県外発送をしているかとのお問い合わせをいただきました。直接確認はしていませんが、無添加ですからね…していないのではないでしょうか。現地だけのお楽しみ^^。
餅好きな方には
道の駅・厳美渓内の「レストランペッタンくん」の「和風もちセット」も人気があります。8種類の味が楽しめて餅も大きめ。ボリュームがあります。値段も¥880と道の駅にしては良心的です。
「じゃあ、せっかくだから餅もだんごも!」と思った欲張りなあなた。ムリです。おなかが^^。
舟下りはありません
同じ一関市内には「猊鼻渓」という似たような発音の渓谷があります。
そちらはもっと川幅が広く、船頭さんの説明を聞きながらの舟下りが楽しめます。大自然を満喫できるのは猊鼻渓です。
厳美渓から猊鼻渓へのはしごもできますが、バスや電車では乗り換えを含めると2時間近くかかってしまいます。
さて私はこの後、一ノ関駅に戻り夕食を取ります。メニューは餅の食べ比べができる「もち御膳」です。
…はい。「欲張り」は私です^^。