於菊稲荷神社は、JR高崎線の高崎駅から2駅目。新町駅にあります。駅から徒歩10分ほどなので、参拝も容易です。
「於菊」は娼妓の名~於菊物語
於菊稲荷神社の「於菊」とは、江戸の中期に新町宿で一番人気だった娼妓「大黒屋於菊」の名から来ています。
於菊さんは貧しい農家の出身ながら、美しくて気立ても良かったのだとか。普通なら、このような商売をしている人は一般の人から敬遠されますが、その人柄で子供たちの親にまで慕われていたそうです。
その於菊さんが、ある日大病を患い、寝たきりになってしまいました。
心配した人々が、於菊さんが信仰していた稲荷社に小屋を建てて看病しましたが、思わしくありません。そこで於菊さんが助かるように稲荷社に祈り続けたところ、3年後に稲荷の霊が現れて於菊さんの病は全快しました。
人々の思いと、願いを叶えてくれた神に感激した於菊さんはその後、神明奉仕と世の人々に為に生きることを決め、稲荷社の巫女になりました。熱心に尽くすうちに霊能力が宿るようになると、さらにその力を使って人々を救うことに生涯を捧げました。
いつしか、人々は尊敬も込めてこの稲荷社を「於菊稲荷神社」と呼ぶようになりました。
たくさんの鳥居
参道にはたくさんの鳥居が並んでいます。境内は広いのですが建物は奥にまとまって建っているので、何もないグラウンドの真ん中に鳥居がくの字に並んでいるように見えます。ちょっと不思議な感じがします。
そして、この鳥居を闇雲にくぐっていくと、簡易トイレに辿り着いたり、
工事のフェンスにぶつかったりします^^;。
本当にギリギリまで鳥居が建っているので、まさに袋小路です。
ちなみに写真左に写っている水屋(手水舎)はこの神社の見どころのひとつです。手水鉢石に書かれている「冰香」の筆跡は、江戸後期の漢詩学者・大窪詩佛のもの。当時大人気の書画家だそうで、書が好きな方は必見です。
私のように興味がないと、口をすすぐだけで素通りしてしまうので御注意を^^。
さて、本来ならば鳥居の正面に本殿があるのですが、現在は建て直し中。2017年の夏に完成の予定だそうです。
ですから現在ご神体は仮殿に安置されています。御朱印やお守りはこの奥の社務所でいただけます。
社務所には子猫が2匹。人馴れしていて、知らない人に撫でられても我関せず^^。
仮殿の隣には立派な神楽殿もありました。
御朱印は2種類。どちらの御朱印にも狐がいますが、左の狐マークがこの神社のトレードマークのようです。菊の字が狐尾に見えるところも人気です。
見開きで両方いただくと¥500でした。
わかりやすい道順は…
駅から歩いても遠くないのですが、目印になるものがあまりありません。最短距離とは限りませんが、一番わかりやすい道順は以下のとおりです。
新町駅は出口がひとつです。まずは、正面の広い通りをまっすぐに進みます。
広い道が終わるところで右折します。左手には群馬銀行があります。
さらに進むと、左手に円錐っぽい屋根を持つ休憩所があるので、そこを左折します。道に案内も出ています。
その後は直線です。右手に入口があり(一番上の写真)、鳥居のアーケードをくぐることができます。
こちらの宮司さんはとても愛想の良い方で、まるで於菊さんのよう(?)。人にも動物にも優しい神社です。