8月10日は四万六千日(しまんろくせんにち)です。鎌倉でも対象となるお寺があります。
これに合わせて、鎌倉三十三観音霊場の巡礼を始めました。
四万六千日
四万六千日とは、この日に参拝すれば46,000日分(≒一生分)の功徳を得られるラッキーな日。単純計算で126年ですから、ほとんどの人がこれで足りるはず^^。
東京の浅草寺は7月9・10日が四万六千日ですが、鎌倉では杉本寺・安養院・長谷寺が8月10日を四万六千日としています。旧暦なんですね。
この鎌倉の3寺は、坂東三十三観音霊場と鎌倉三十三観音霊場の札所になっています(札番も一緒)。それ以外にも鎌倉二十四地蔵霊場や、鎌倉十三仏霊場に入っているお寺もあります。
この日は普段より開門時間が早かったり、拝観料が無料になるなど、ちょっとお得になることも^^(お寺によって無料で入れる時間が異なります)。
一番・杉本寺
まずは、鎌倉駅東口からバス停5番のりば。京急バス「鎌24」金沢八景駅行きに乗って「杉本観音」下車すぐの大蔵山杉本寺へ。杉本寺へはこのバス以外に「鎌23」「鎌36」のバスでも行けます。
杉本寺は734年に建立された、鎌倉で一番古いお寺です。本尊は3体の十一面観音で、それぞれ行基・慈覚大師円仁・恵心作と伝えられています。お前立本尊は源頼朝の寄進だそうです。
特に行基作の十一面観音は、「下馬観音」または「覆面観音」と呼ばれています。
かつて馬に乗ったまま杉本寺の前を通ると必ず落馬するといわれ、観音様に見えないよう、袈裟で顔を覆われているからだとか。個人的には、見つからないようにするよりも、不届き者を戒めた方が良いのではないかとも思うのですが…。
杉本寺はこの苔の階段が有名です。現在は通ることができず、新しい階段がすぐ脇にできています。
この日は8時に到着しましたが、すでに5,6名の先客がいました。
御朱印は、坂東・鎌倉三十三観音霊場の一番札所にしては小さな、このお堂の中でいただきます。お参りしている人の邪魔にならないように進むのも難しいほど狭いです。
杉本寺はいくつもの札所になっているので、御朱印をいただくときは、どの御朱印がほしいのかはっきり伝えましょう。何も言わないと坂東の御朱印になります。御朱印帳の表書きに霊場名が入っているのならば、それを見せるのも得策です。
坂東や鎌倉の巡礼を始める場合はこのお寺から始めると御朱印に「発願(ほつがん)」印を押していただけます。ちなみに巡礼の最後を最終番札所にすると「結願(けちがん)」印を押してもらえます。
四万六千日には御朱印にもその印を押していただけます。
また一番札所なので、巡礼に必要な品はここで購入できます。
二番・宝戒寺(寶戒寺)
二番札所の金龍山釈満院円頓宝戒寺(正式には「寶戒寺」)はバスで来た道の途中にあるので、歩いて戻ります。
二番札所は坂東と鎌倉でお寺が異なります。こちらは鎌倉三十三観音霊場の二番札所です。
観音霊場ですが、本尊は子育延命地蔵尊という白くて大きなお地蔵様。鎌倉二十四地蔵霊場の一番札所のお地蔵様です。二十四地蔵霊場を巡るのならば、宝戒寺から始めると発願印をいただけます。
宝戒寺は北条執権屋敷跡です。1335年に後醍醐天皇の発案により、足利尊氏によって北条氏慰霊のために建てられました。ちなみに北条氏滅亡は1333年。
先の杉本寺と宝戒寺は住職が同じで兄弟寺だと書き手の方に伺いました。
三番・安養院(長楽寺)
続いては三番札所の安養院です。正式名称は祇園山長楽寺。長楽寺・善導寺・田代寺の3寺が統合されてできたお寺で、元々の長楽寺は北条正子が源頼朝の菩提を弔うために建立されました。鎌倉三十三観音霊場の観音様は田代寺の千手観音です。田代観音とも呼ばれます。
バスでは宝戒寺の前で道を曲がってしまいますが、杉本寺からきた方向にまっすぐに進みます。「大町四ツ角」という交差点を左折して、しばらく進むと左手にあります。
小さくて静かなお寺ですが、本堂の裏手に国の重要文化財の石造宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。これは浄土宗名越派の開祖、尊観上人のお墓と伝えられています。その隣には北条政子のお墓とされるものもあります。
安養院でも四万六千日の印をいただけます。
次回は長谷寺へ参ります。