最近のブームにより、御朱印の認知度が格段に上がりました。
一方で、一気にカジュアル化したためか、昔ながらの考えを持った人たちとの間でちょっとしたトラブルが見受けられます。「楽しいスタンプラリー」としてブームを煽った、テレビ番組・一部の御朱印本にも責任はあるでしょう。要はマナーに対する温度差の問題かなと思います。
逆にパワースポットなどスピリチュアルから入ってきた人は、神仏への畏敬の念からか、あらかじめマナーを知った上で参拝したいと思われるようです。
そこで、御朱印をいただく上で「これだけ気をつければ大丈夫!」と思うものを列挙してみました。
必ず参拝をすること
マナー云々ではなく、これは礼儀です。
たとえ信心深くなかったとしても(御朱印だけが目的であったとしても)、神様仏様の聖域に入るわけですから参拝はしてください。「訪問させていただきました」の挨拶と考えれば良いと思います。
加えて、日ごろ無事に過ごせている感謝も述べるとベターです。もちろん般若心経をはじめとする、お経や真言などを唱えられればベスト!
最近ではお寺では真言、神社では参拝方法(ニ礼ニ拍手一礼など)を拝殿に記載しているところも多いので、難しいことは何もありません。お寺なら「南無○○○○」と(心の中で)唱えてもOK(○○…は拝む対象。阿弥陀如来なら「南無阿弥陀仏」)
原則は参拝してから御朱印をいただきます。
もっとも最近は寺社側も効率を考えて、先に御朱印帳を預ける方式をとっているところもあります。また、電車やバスで訪れている場合は時間も限られますし、団体客が来て混んでいる場合は、御朱印をいただいた後に参拝しても問題はないと思います。
現代社会はみんな忙しいので、相手に不快感を与えなければ効率を考えることは悪いことではありません。ただし、寺社の方に先に参拝を指示された場合は、それに従ってください。
御朱印専用の帳面を用意する
これもマナーとは違う気もしますが念のため。
必ずしも「○○霊場」専用のものである必要はないのですが、洋紙のノートなどはNGです。そもそも墨を吸いませんし…。
同様の理由で、空ページに御朱印をもらえるようになっている御朱印本も止めたほうが無難です。(そもそもアレに書いてもらえるのかわかりませんが)
蛇腹式・和綴じ式・バインダー式など、形式は決まっていませんが、必ず表紙には「御朱印帳」や「○○観音霊場」などと明記します。
そして、預けることを考えて、名前や目印になるものを付けましょう(似た御朱印帳があったときの取り違え防止のため)。
御朱印帳カバーは外し、綴り式の御朱印帳は紐を緩めておく
どちらも、書き手の方が書きやすいようにするための配慮です。
自分で書いてみるとわかりますが、紙が斜めになっていると非常に書きにくいのです。また押印の際も、紙が安定していないととぶれる原因になります。帳面を開いて置いたときに、できるだけフラットになるように心がけてください。
また、ビニールカバーを片面しか外さない方がいますが、あのぺラッとした部分が意外と場所をとって邪魔だったりします。(ついでに蓋付きのものは、あのちょっと持ち上がったところが手に当たって押えにくいし、スナップの凹金具のでっぱりが押印の邪魔をする^^;)
美しい表紙を汚したくない気持ちはわかりますが、全部外して渡した方が、きれいに押印していただけると思います。
書いてもらうページをあらかじめ開いておき、どちらに書いてもらうか明示する
効率と書き間違いを防ぐためです。
閉じたまま渡す人がよくいますが、書き手の方に探させるのも失礼な話ですし、手間取ります。書く場所を間違えたらトラブルの原因になりますから、先方もしたくありません。
ご自身の御朱印帳をプロデュースする意味でも、しっかり「こちら側にお願いします」と指し示しましょう。特に、順番を考えてページを飛ばして書いていただくときははっきり伝えてください。
もし、バスツアーなどで添乗員に預ける場合は、あらかじめ付箋をつけておくのも手です。
次回もマナーに関するお話が続きます。